東京の浅草ホッピー通りには美味しい牛すじ煮込みを出す名店が立ち並びます。とろっとした舌触りに仕上げるにはいったいどれほどの時間と手間をかけられたのか想像するだけで喉とお腹が鳴ってしまいます。コラーゲンが含まれていることや、もとは一般人があまり加工することに向いていなかったため安価だった牛すじですが、最近は人気が上がっています。
牛すじのカロリーや糖質/牛の他部位との比較
メニュー名 | カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
牛すじ ゆで/100g | 155 | 28.3 | 4.9 | 0.0 | 0.0 |
牛カルビ 生/100g | 371 | 14.4 | 32.9 | 0.2 | 0.2 |
牛タン 生/100g | 356 | 13.3 | 31.8 | 0.2 | 0.2 |
牛ミノ ゆで/100g | 182 | 24.5 | 8.4 | 0.0 | 0.0 |
牛ハラミ 生/100g | 301 | 14.9 | 25.2 | 0.3 | 0.3 |
※出典元:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)
牛すじは、とろりとした食感だからか、高カロリーなイメージがありますが実は思っているよりも低カロリーで脂質もほとんど含んでいません。しかし高タンパクで、ゼラチン質なのでぷるんとした食感が特徴的です。このゼラチン質な部分にコラーゲンが多く含まれているので、アフター5のサラリーマンの飲み屋でのアテだった牛すじはすっかり女性陣にも支持を広げることになりました。
牛すじを使った料理のカロリーを調査!
メニュー名 | カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
成人男性摂取基準/日 | 2650 | 60.0 | 73.6 | 364.0 | – |
成人女性摂取基準/日 | 2000 | 50.0 | 54.8 | 271.0 | – |
牛すじ煮込み/1人前(490g) | 318 | 37.2 | 6.3 | 18.8 | 15.8 |
どて焼き/1鉢(150g) | 136 | 20.3 | 3.7 | 6.4 | 4.5 |
※自社のデータを使用
牛すじ煮込みはとても手間がかかる料理です。下茹でしたりゆでこぼす回数も多く、とろとろになるまでの煮込む時間もかなり長いです。しかし、かけた手間が味としてしっかり反映されるのも牛すじ煮込みの良いところです。ご飯1膳160gが269kcalであることを考えれば、牛すじ煮込み500g弱で318kcalはかなり低カロリーで、胃袋が満足するほどたっぷり食べられるということがおわかりいただけると思います。
おでんの牛すじ串、1本当たりのカロリーはどのくらい?
出典元:セブンイレブン
メニュー名 | カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
セブンイレブン 牛すじ串/1本 | 25 | 3.3 | 1.2 | 0.1 | 0.1 |
ファミリマート 牛すじ串/1本 | 30 | 4.9 | 1.1 | 0.2 | – |
※公式サイトより引用
2020年の社会生活はすっかりCOVID-19の影響で様変わりし、コンビニでおでんが単品販売される風景も見なくなってしまいました。しかし牛すじ串は、おでんパックに含まれていることはなく単品以外での入手は期待できません。手軽に食べられたコンビニおでんの行く末が気になりますね。1串当たりのカロリーは30kcal以下でとっても低カロリー。糖質もほとんど含まれていないので糖質制限・カロリー制限共に安心して食べられます。
牛すじのゼラチンにはコラーゲンがたっぷり!
ぷるんとした食感が舌にまとわりつくような感じがあるので脂身なんじゃないかと勘違いしてしまいそうですが、そもそも牛すじは牛のアキレス腱であることが多いので脂肪が少なく、タンパク質が豊富な部位です。タンパク質といっても赤身肉のようなタンパク質ではなく、ゼリーを固めることに使われるようなゼラチンです。古くはエジプト文明のころから使われていたという歴史の古い成分です。
牛すじのコラーゲンでお肌プルプル
サプリメントで盛んにコラーゲンが騒がれて久しいですが、実際コラーゲンとは何者なのでしょう?まず、タンパク質の1種であるということ。さらにカラダを構成しているタンパク質の内の30%がコラーゲン。そしてなんと皮膚の約70%はコラーゲンによって占められています。コラーゲンの摂取が肌へ影響があるという認識はすでに持っている方が多いですが、摂取したコラーゲンが肌を保湿してくれる役に立ってくれそうですね!
牛すじのコラーゲンで骨粗しょう症予防もできる!
年齢を重ねると骨がもろくなる骨粗しょう症になりやすくなります。実は男女比が最も大きい病気といわれ、男女比は1:3。なんと男性の3倍も女性は骨がもろくなりやすいということです。これは女性ホルモンの分泌が閉経後減少してしまうため、カルシウムが血液へ流出してしまうから起こりますが、骨の柔軟性を維持するためにコラーゲンは関係しているため、コラーゲンの摂取も骨粗しょう症予防になりますよ♪
コラーゲンは体内で作り出すことができる
実はコラーゲンは体内で作ら出すことができるので、必ず食べ物から摂取しなければいけないわけではありません。しかし、20代をピークに減少していきます。1日のコラーゲンの必要量は5~10gですが、牛すじ100g当たりでおおよそ5gが摂取できます。コラーゲンの生成にはビタミンCが不可欠なので、牛すじを食べる際もニンジンなどのビタミンCを含んだ野菜を合わせるといいでしょう。
牛すじの糖質制限レシピ
牛すじは低糖質で、低カロリーな食材です。これは言い換えれば「量を食べても背徳感が少ない」ということです。糖質制限を行う時は、これまで主食にしていた白米が食べられませんので、おかずでお腹を脹らます必要が出てきます。その時には牛すじを使用すれば、きっと胃も心も満足できる料理が心置き無く食べられますよね!
牛すじの糖質オフレシピ①:月桂冠 糖質ゼロを使った牛すじ煮込み
出典元:80レシピ
・1人前 糖質9.3g/240kcal
日本酒はお米を原料に作るために糖質が高いアルコール飲料ですが、酒造メーカーの大手月桂冠を始め、あらゆる銘柄で「糖質ゼロ」の日本酒を提供してくれています。調味料の糖質は見落としがちで、特に顆粒だしやこの料理酒の存在を普段通り使ってしまうことがあります。そんなとき、初めから糖質ゼロの日本酒を料理酒として使用すれば量も気にせずに済みます。美味しく飲むことも出来て糖質ゼロ。これはなかなか糖質制限の時には心強いのではないでしょうか。
牛すじの糖質オフレシピ①:牛すじでビーフシチュー
出典元:おいしい健康
・1人前 糖質16.8g/291kcal
バラやすね肉などが主に使われるビーフシチューですが、実は牛すじを使ってもまた味わい深い1品が出来上がります。もも肉のように赤身肉の固まりがほろっと崩れる牛肉の旨みも捨てがたいですがとろとろな牛すじシチューもなかなかに乙です。シチューやカレーは市販のルーに多くの小麦粉が使用されているため、糖質制限を行う際は、ベースも手作りすると糖質量をもっと抑えることができるようになります。
【豆知識】圧力鍋で時短できるワケ
圧力鍋は牛すじ煮込みをトロトロにするための時短アイテムとして最高の調理器具です。通常の鍋で煮込むと、水の沸点は100℃なのでそれ以上温度が上がることはありませんが、圧力をかけることで水の最高温度が120℃近辺まで上がり、より高温で煮込むことができるので早く調理できるのです。圧力がかかるから味がしみやすいわけでなく、単純に気圧の変化によって最高温度が上がることで時短できるのです。考えた人は本当に天才ですね。
牛すじのカロリーや糖質のまとめ
牛すじは脂質をほとんど含まないのでイメージよりも低カロリーです。カルビ肉と比べるとそのカロリーと脂質量の少なさは一目瞭然ですから、カレーやシチューのお肉として牛すじを使うこともできます。しかし、牛すじは下処理にかかる時間が多く短時間で調理するためには圧力鍋が必須です。圧力鍋を使えば、20分ほどの時間でトロトロの牛すじを完成させることが出来てしまいます。ご自宅のキッチンに余裕があれば、圧力鍋の購入もご検討ください!