ダイエットをしているとき「お酒は飲んでもいいのかな?」と気になりませんか?
お酒は適量なら問題ありません。しかし、飲み過ぎはダイエットの敵。
アルコールのカロリーはあるので飲み過ぎは肥満のもとです。禁酒すれば減量できる、という方は数多くいらっしゃるのが現実です。
そこでこの記事では、禁酒ダイエットの方法について紹介します。
どんな人に合っているダイエット法なのか、注意したいポイントなどもあわせてお伝えするので、健康になりたいダイエッターの方ぜひ参考にしてください。
禁酒ダイエットとは
禁酒ダイエットとは、お酒を飲むのをやめてエネルギー摂取量を減らすダイエット法のことです。
「ダイエット中は糖質のないお酒を飲もう」などとよく耳にします。しかし、お酒は糖質だけでなくアルコールも含んでいることを忘れないで。
実はアルコール自体のカロリーの方が糖質によるものより多いのです。
三大栄養素とアルコールのエネルギー量を比べてみましょう。
- アルコール・・・7kcal
- 脂質・・・9kcal
- 糖質・・・4kcal
- たんぱく質・・・4kcal
※どれも1gあたり
ご覧の通り、アルコールは脂質の次にカロリーが多いのです。よって、糖質が低くてもアルコール度数の高いお酒を飲み過ぎれば脂肪が増えます。
禁酒ダイエットをおすすめする4つの理由
禁酒ダイエットをおすすめする4つの理由は以下です。
- カロリーの摂り過ぎを防げる
- 肝臓を休ませられる
- 浮腫み予防になる
- 食生活を整えるきっかけになる
それぞれ確認していきましょう。
1.カロリーの摂り過ぎを防げる
禁酒することでカロリーの過剰摂取を防ぐことができます。
お酒はアルコールと糖質でエネルギー量が多いので、飲まなくなればその分減ります。
一般的なお酒のカロリーを以下に紹介しますので、自分が禁酒するとどのくらい摂取エネルギーを減らせられるのかチェックしてみてください。
- 赤ワイン(120ml/グラス)・・・88kcal
- ビール(350ml/中缶)・・・140kcal
- 焼酎(70ml/ロック)・・・102kcal
- ウイスキー(30ml/シングル)・・・71kcal
※女子栄養大学「食品成分表2021」参考
また、お酒を飲んでいると食欲が増しやすいことも関係しています。
普段は食べられないような量でも、お酒を飲んでいるとしっかり食事をとってしまう方もいるのではないでしょうか?お酒+おつまみの食べ過ぎによるカロリーを夜の遅い時間に摂っている方もたくさんいるはずです。
禁酒ダイエットをすれば、アルコール自体のエネルギーや食べ過ぎによるエネルギーの摂取が防げるので、カロリーカットにつながります。
2.肝臓を休ませられる
禁酒して肝臓の負担を減らせば、休ませることができます。
アルコールを分解するのは肝臓の仕事です。そのため、たくさんの飲酒が常習化している方の肝臓はお疲れかもしれません。
事実、大量のアルコールを10年間毎日飲んでいるような依存症の方では、8割に肝障害がみられます(※)。
肝臓はなかなか弱音を吐かないので、気付いた時には手遅れ・・・なんてことも。禁酒ダイエットで肝臓を休める日を設けるのは健康にとってメリットが大きいです。
3.浮腫み予防になる
禁酒ダイエットでは、浮腫みの予防にもつながります。
朝起きるたとき、顔が浮腫んでいることはありませんか?お酒をたくさん飲むと血管が拡がり、浮腫みが生じやすくなります。
とくに眠る直前まで飲んだ場合は顔に水分がたまりやすいです。禁酒すれば毎朝の浮腫みから解放されるかもしれません。
4.食生活を整えるきっかけになる
禁酒は食生活を整えるきっかけにもなります。
お酒を毎日飲む方でよくみられるのが、塩分や脂質が多い物をおつまみとして食べることです。唐揚げやスナック系のつまみをお酒のおともにしていませんか?
お酒を飲んでいると食事がおろそかでも気持ちやお腹が満たされることがあります。禁酒ダイエットでアルコールを飲まなくなれば、自然と食事のバランスを整えられるはずです。
禁酒ダイエットが向いている人は?
4つのメリットがある禁酒ダイエットですが、
「普段からお酒は金曜日の夜しか飲まない」「毎日飲むけど缶ビール半分くらい」
といった方では効果を感じにくいでしょう。
禁酒ダイエットに向いているのは以下の方です。
- お酒を毎日のように飲む方
- 飲む量が多い方
- メタボリックシンドロームの方
お酒を毎日のようにたくさん飲む方は、禁酒ダイエットによって摂取エネルギーが減ります。よってダイエットの効果は感じやすいはずです。またメタボリックシンドロームの場合、要因のひとつであるアルコール摂取を減らす禁酒ダイエットはおすすめ。
メタボリックシンドロームの方は内臓の脂肪が多過ぎると起こりやすく、糖尿病や脂質異常症などさまざまな疾患が重なると、命にかかわることがあります。常飲酒者に加えメタボも当てはまる方は、とくに禁酒ダイエットがおすすめです。
禁酒ダイエットの方法
では、禁酒ダイエットの方法について紹介します。方法といってもただ禁酒すればいいだけなのですが、依存している方にとっては大変なこと。チャレンジしやすいようコツをお伝えしますね。
まずは1日禁酒する
禁酒は、まず1日からはじめましょう。「今後一切お酒を飲まない!」と決めるのはとても素晴らしいことですが、自分の気持ちを押さえつけすぎるとストレスがたまるのでおすすめできません。
まずは1日やってみてください。続けられそうなら次の日も、その次の日も…と伸ばしていくと継続しやすいです。
慣れてきたら禁酒日を増やす
慣れてきたら禁酒日を増やします。はじめは1日で様子をみて、慣れてきたら1週間スパンで禁酒していくと良いでしょう。
お酒を飲まない日が習慣になれば、すんなり断酒できる方もいます。変に「我慢している」気持ちが強いと飲みたくなってしまうので、自分のペースで取り組むのがおすすめです。
禁酒ダイエットを成功させるなら、運動と食事も意識しよう
禁酒ダイエットを絶対に成功させたいのであれば、運動をしたり食事の内容を充実させたりと努力しましょう。
お酒のカロリーをカットしたうえに運動で消費エネルギーを増やせば、体脂肪は効率よく減るはずです。また食事を整えることで、同じエネルギー量の中で栄養素をバランス良く摂れるようになります。
禁酒ダイエットを必ず成功させたい方は、禁酒×運動×食事改善がおすすめです。
禁酒ダイエットはどのくらいで効果が出るの?
効果を感じられる期間は個人差があります。毎日のようにたくさん飲んでいた方であれば、禁酒ダイエットをはじめた翌日から体重が減ったり浮腫みが軽減したりといった効果があらわれるでしょう。
1日1缶の中ビール缶を飲んでいた方でも、禁酒すれば1日の摂取エネルギーが140kcalほど減ります。一週間経てば140×7=980kcalのカットにつながりますね。一か月たつ頃には約4000kcalをカットできるので、体脂肪を0.6kgほど減らせられるはずです。
禁酒ダイエットの注意点
禁酒ダイエットで注意してほしいポイントは下記の4つです。
- お酒の代わりに甘いジュースを飲まない
- ノンアルコールだからと飲み過ぎない
- 食事をおろそかにしない
- ストレスを溜めすぎない
注意してほしい理由を順に紹介します。
お酒の代わりに甘いジュースを飲まない
お酒を飲まない代わりに甘いジュースや炭酸を飲んでしまうのは辞めましょう。ジュースは砂糖の量が多いので、飲めば飲むほど血糖値が上がって太りやすくなります。
禁酒ダイエットをしたところで、他でカロリーを摂り過ぎれば意味がありません。「ダイエットをする」と決めたのですから、お酒の代わりのものを甘い食品で埋めるのは避けることがベストです。
ノンアルコールだからと飲み過ぎない
「禁酒ダイエットだからノンアルコールを飲もう」という方もいるかもしれません。しかし、ノンアルコールだからといって飲み過ぎないようにしましょう。
なぜなら、アルコールがないだけで糖分を含んでいるからです。いわゆるジュースとなんら変わりはないので、ノンアルコールだからといって飲み過ぎないようにしてください。
食事をおろそかにしない
禁酒ダイエットでは食事をおろそかにしないようにしましょう。
今まで飲んでいたアルコールを辞められるだけでも、摂取エネルギー量は減るのでダイエット効果も期待できます。しかし、お酒を辞めただけで食事がめちゃくちゃだったら、肝臓や腎臓など臓器の負担になるかもしれません。
完璧にする必要はありません。毎食少しでも野菜を食べる・週に1回は魚を食べるなど、できることからはじめていきましょう。
ストレスを溜めすぎない
禁酒ダイエットを成功させるためには、ある程度の期間が必要です。そのため、ストレスを溜めすぎないようにしましょう。
今まで当たり前にしていたことを辞めると、思っているよりもストレスを感じます。このストレスをお酒を解消するのではなく、運動や趣味などほかの部分で発散できればベストです。
しかし、どれだけ意識しても「どうしてもお酒を辞められない」という方もいるもの。どうしたらいいのでしょうか?
お酒がやめられない…。まずは量を減らしてみよう
どうしてもお酒を我慢できないときは、量を減らせたことを自分自身で褒めながら継続していくと良いです。「飲んじゃだめだ、飲んじゃだめだ」と強く思えば思うほど、ますます禁酒できなくなるのはあなただけではありません。
お酒は依存性がつよいです。いつもより飲む量を減らせただけでも、大きな変化です。とにかく無理のない範囲で禁酒ダイエットをつづけてみてください。必ず減量できるようになります。
禁酒ダイエットのまとめ
禁酒ダイエットについてお話ししました。
お酒は血流を良くしたりHDLコレステロールを上げたりと、体にうれしいメリットもある成分です。しかし、毎日のようにたくさん飲むと、太るだけでなくさまざまな変化が体に起こります。
とくにお腹周りが驚くほど大きくなった方は要注意。肥満は糖尿や脂質異常症などをすすめ、心疾患を招くこともある怖い症状です。
お酒は適量をたまに楽しむのが一番おすすめの飲み方です。まずは禁酒を1日してみて、少しづつ増やして摂取エネルギーを減らしていきましょう。