脂ののったサバに絶妙な塩気が食欲をかきたてる塩サバ。糖質も少なく、たんぱく質も豊富なのでダイエット中に食べる方も多いでしょう。
しかし、実は塩サバのカロリーや塩分は高いです。体に良いと思っていたら、思わぬデメリットに悩むことになる可能性も。
この記事では、塩サバのカロリーをはじめ、糖質や塩分をお伝えします。塩サバをよりヘルシーに食べたいときのコツも管理栄養士が解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
塩サバのカロリーや糖質
塩サバのエネルギー量と糖質を確認してみましょう。
カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
---|---|---|---|---|
塩サバ 一切れ(80g) | ||||
233 kcal | 21.0 g | 15.3 g | 0.1 g | 0.1 g |
塩サバ 大きい一切れ(100g) | ||||
291 kcal | 26.2 g | 19.1 g | 0.1 g | 0.1 g |
摂取基準 (上段男性、下段女性) | ||||
2650 kcal 2000 kcal | 60.0 g 50.0 g | 73.6 g 54.8 g | 364.0 g 271.0 g | 344 g 253 g |
※文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」参照
塩サバ一切れで約260kcal・糖質0.1gになります。お肉と同じように低糖質ですが、カロリーは高め。しかし、カロリーが高い魚はサバだけではありません。サバと他の魚でカロリーを比べてみましょう。
塩サバは他の魚よりも高カロリー
塩サバと他の魚のカロリーは次の通りです。
- 塩サバ 一切れ(80g)・・・233kcal
- 塩さけ 一切れ(80g)・・・159kcal
- 塩だら 一切れ(80g)・・・52kcal
※文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」参照
塩サバが高カロリーなのは、他の魚よりも脂質が多いからです。しかし、魚の脂質は肉や大豆には含まれない「n3系多価不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。もちろん、サバにもたっぷりと。魚の脂質は体にメリットが大きいので、高カロリーけれど定期的に摂りたい脂なんです。のちほど、どのように良いのかを詳しく説明しますね。
塩サバ定食はご飯の量で高カロリーに
塩サバ定食のカロリーもチェックしてきました。今回は全国に店舗をかまえるやよい軒の塩サバ定食を参考にします。
塩サバ定食(白ご飯180g)・・・715kcal
※公式ページの炭水化物68gより、白ご飯の量は180gと推測しています。
やよい軒では塩サバも大きいものを使用していますが、塩サバ定食のカロリーは半分以上が白ご飯によるものです。
健康を意識して魚をとるようにすすめられた経験がある方は多いはず。その結果、さまざまな飲食店で魚をメインにしたメニューが用意されるようになりました。とくに多いのが「塩サバ定食」。ボリュームのある塩サバはご飯との相性も良く、魚を食べる習慣がない方も食べやすいのではないでしょうか。
しかし、白ご飯の食べ過ぎはカロリー過多になりやすいです。体に良いサバと一緒に食べるときも、量は意識できるようにしましょうね。
塩サバの気になる5つの栄養素
塩サバの栄養素について紹介します。たんぱく質源のイメージが強いですが、ほかにも体に欠かせないものが塩サバにはぎゅっと詰まっているんです。
1.たんぱく質
塩サバのたんぱく質は一切れ(80g)で約21gです。たんぱく質が豊富で有名なささみが80gで約18なので、それ以上の量になります。たんぱく質は私たちの体をつくる大切な栄養素です。体重1kg当たりたんぱく質1.0gを食べられるようにしましょう。
2.鉄
塩サバには鉄がたっぷり含まれ、一切れ(80g)を食べると1.6㎎を補えます。塩サバの鉄は体への吸収率が高く、たんぱく質も豊富なので利用しやすいのが特徴です。ビタミンCたっぷりのレモンをたっぷりかけるとさらに吸収率はアップします。サバ一切れ(80g)が含む鉄量は、成人女性が1日に必要とする鉄分の6分の1です。
3.ビタミンB群
塩サバにはビタミンB群も豊富に含まれ、とくにビタミンB2・B6・B12・ナイアシンが多いです。三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)の代謝を促したり血液をつくるサポートをしたりと、体の中でさまざまに作用します。ビタミンB群は水に溶けやすいので、塩サバはグリルなどで焼くのがおすすめです。
4.ビタミンD
塩サバには脂溶性ビタミンのビタミンDも豊富です。ビタミンDはカルシウムの吸収を促す作用が有名ですね。ほかにも神経の働きを助けたり、カルシウムが骨へスムーズに取り込まれるようにサポートしたりしています。サバ一切れ(80g)を食べると、ビタミンDは8.8μg。サバは1日に摂りたいビタミンD量(5.5μg)を補いやすい食材です。
5.n3系多価不飽和脂肪酸
塩サバは脂が豊富で、オメガ3脂肪酸とも呼ばれるn3系多価不飽和脂肪酸がたっぷり含まれます。n3系多価不飽和脂肪酸にはEPAやDHAの2種があり、それぞれの働きは次の通りです。
- DHA・・・脳の神経細胞をサポート
- EPA・・・LDLコレステロールを減らす
どちらも健康な体づくりには欠かせないものなので、週に3日以上お魚メインの食事を食べられる形が理想になります。
塩サバは塩分が多い
体にとって欠かせない栄養素を含む塩サバですが、食べ過ぎには注意しましょう。カロリーや脂質を摂り過ぎてしまうだけでなく、塩分の過剰摂取につながる可能性があるためです。
塩サバは一切れ(80g)で塩分1.4gになります。大きいものを一切れ食べると、だいたい2g近く。1日に摂る塩分量の上限はだいたい7~8gといわれていますので、一食は2~3gに抑えたいところ。塩サバを食べるときは味噌汁はやめて酢の物やレモン和えにするなど、減塩を意識できると素晴らしいと思います。
塩サバをヘルシーに食べるコツ
塩サバの塩分や脂質を意識し、ヘルシーに食べるコツを3つに絞って紹介していきます。
塩サバを食べるときは、次の3つを意識すると食卓がヘルシーになりますよ。
- 塩サバには何もかけない
- 副菜は野菜のレモン和えやマリネがおすすめ
- ご飯のお代わりはしない
塩サバはしっかりと味がついています。しょうゆをかける必要はありませんので、無駄な塩分を摂らないようにしましょう。そして副菜の塩分を摂り過ぎないよう、汁物は控えてレモンや酢などを使って減塩料理にしてください。そして、カロリーの摂り過ぎを防ぐためにご飯のお代わりは我慢したいところ。ご飯は一杯(200g)で340kcalあることを頭に入れておくと良いでしょう。
塩サバのおすすめアレンジレシピ2選
最後に、塩サバを使ったおすすめのアレンジレシピを2つ紹介します。減塩効果があるものもピックアップしているので、ぜひ作ってみてくださいね。
塩サバでトマト煮
出典:Nadia
カリウムがたっぷりで塩分を外に排泄するサポートもするトマトをたっぷり使う煮込み料理。塩サバの塩分で味をつけるので、減塩しながら野菜とサバを一緒に食べられるおすすめの一品です。玉ねぎをたっぷり使えば、血液の流れを良くする成分も補えます。
塩サバのアクアパッツァ
出典:Cookpad
こちらも塩サバの塩味を使ってつくる料理。野菜やきのこ、豆類をたっぷり食べられる一品です。使う材料は何でもおいしいのですが、ビタミンCや食物繊維が豊富なパプリカやブロッコリーがおすすめ。ぜひお試しくださいね。
塩サバのカロリーまとめ
塩サバはカロリー・たんぱく質・脂質をしっかりと補える食材です。ビタミン類も豊富で、ミネラルも摂れる優れもの。しかし、塩分が少し多いので、食べる量には気をつけましょう。塩サバをヘルシーに食べるのであれば減塩を意識すること。また、カロリーは塩サバの脂質でもしっかり摂れているので、主食の食べ過ぎに気をつけてくださいね。