突然ですが、ダイエット中に意識して食べている物はありますか?
糖質や脂質など制限するものばかりに目を向けられやすいですが、食べるべきものにも注目しましょう。なかでも「野菜」はダイエット中もしっかりと食べたい食材です。
今回はダイエットと野菜の関係を管理栄養士がくわしく解説します。
「どんな野菜を食べればいいの?」
「栄養価の高い野菜が知りたい!」
「野菜を食べるときのコツがあれば教えてほしい」
などの悩みを解決できるので、ダイエット中の方はぜひ参考にしてください。
ダイエット中に野菜を食べたい5つの理由
ダイエット中に野菜を食べたい理由は次の5つです。
- 血糖値の上昇を緩やかにするため
- お腹の調子を整えるため
- 代謝をサポートするため
- 食事をヘルシーにするため
- 満腹感を得るため
「野菜は嫌いだから食べないよ~」という方は、ぜひ読んでください。最後まで読めば、野菜を食べたくなりますよ。
1.血糖値の上昇を緩やかにするため
野菜は糖質量が少ないうえ食物繊維が摂れるので、血糖値が上がりにくいです。
なぜ血糖値が上がりにくいとダイエットにメリットがあるのでしょうか?答えは「体脂肪をつくるメカニズムが働きにくい」からです。
血糖値が上がるとインスリンというホルモンが分泌され、余分な糖を脂肪に変えていきます。しかし血糖値の上昇が緩やかであれば、インスリンの働きも緩和されます。結果、体脂肪をつくりにくくなるため、野菜の多い食事はダイエット向きになるのです。
2.お腹の調子を整えるため
野菜はお腹の調子を整える栄養素を含んでいます。
とくに注目したいのが次の栄養素です。
- 食物繊維
- マグネシウム
- 水分
食物繊維は腸を刺激したり、腸内細菌のエサとなったりと働きをサポートします。マグネシウムは便の保水力を上げ、するりと排泄されるよう助けます。
そして水分は便の排泄には欠かせません。便の水分が少ないと腸内を上手に進めないのです。
野菜は7~9割が水分でできているので、しっかり食べるようにしましょう。
3.代謝をサポートするため
野菜はビタミンやミネラルを含んでいます。ビタミンやミネラルは、栄養素を体で利用する=代謝を行なうために必要です。糖質の代謝にはビタミンB1、脂質の代謝にはビタミンB2など、それぞれ関わるビタミンが異なります。
また亜鉛やカリウムなどのミネラルも代謝に関わり、たんぱく質の合成や体の塩分量の調節に必要です。ダイエット中は筋肉量の維持や浮腫みの予防も意識したいので、ミネラルもしっかり摂りたいものになります。
ビタミンもミネラルも不足すると代謝が落ち、痩せにくくなります。
4.食事をヘルシーにするため
野菜は低カロリーなので、たっぷり食べてもヘルシーです。ダイエット中は「消費エネルギー>摂取エネルギー」が基本。たくさん食べても低カロリーな野菜はメリットが大きくなります。
例えば、同じ200gを食べた場合、白ご飯よりもレタスの方が300kcalも少ないです。食事をヘルシーにするためには野菜の活用は必須になります。
5.満腹感を得るため
ダイエット中は食事の制限をする方が多く、空腹感に悩まされる頻度も増えるはず。そんなときも野菜をたっぷり食べると満腹感を得られます。
野菜は水分や食物繊維を含むためお腹が膨らみやすいです。ごぼうやブロッコリーなど食物繊維の多い野菜など歯ごたえがあるものを選べば、ますます満腹感がアップ。
空腹の時間はダイエット中も適度に設けた方が脂肪は減りますが、お腹が空き過ぎてストレスになってはいけません。野菜をしっかり食べてお腹を満たしながら取り組むやり方がおすすめです。
ダイエットにおすすめの野菜
ダイエット中に野菜を食べてほしい理由を紹介しました。実際食べるとなると「野菜だったらなんでも良いのかな?」と気になりますよね。
基本的にどんな野菜でも食べやすいものを選べば良いので、難しく考えすぎないでください。野菜が嫌いな方はとくに、食べられるものを食べるようにする、というスタンスでOKです。
「野菜のなかでもとくにダイエット向きなものが知りたい!」という方は、以下に紹介しておくので参考にしてください。
- ブロッコリー
- パプリカ
- トマト
- 小松菜やほうれんそうなどの青菜
- オクラ
- 豆苗
- ごぼう
- アスパラガス
- 枝豆
野菜ではありませんが、アボカドやきのこ類、などもダイエット中におすすめです。
ダイエット中は食べ過ぎに注意する野菜
一方でダイエット中に食べ過ぎないように注意してほしい野菜は、ズバリかぼちゃと芋類です。
厳密には芋類は野菜ではないのですが、じゃがいもやさつまいもも野菜の仲間と考えている方が多いので紹介しています。
かぼちゃや芋類は糖質が多いので、食べ過ぎると気付かないうちに糖質を摂り過ぎていることがあります。あくまで食べ過ぎに気をつけてほしいだけで「食べてはいけない」わけではありません。量に気をつければ食物繊維やビタミンC、βカロテンなどの栄養素を摂れる良い食材です。
適度に食べることを意識してダイエット中も楽しめるようにしましょう。
野菜は1日に両手いっぱいの量を食べる
野菜を食べる量は両手いっぱいが目安です。具体的な量は1日350gですが、いちいち図るのは手間でしょう。
両手いっぱいの野菜を食べられるよう考慮し、いろいろな色を取り入れられるようにするとバランス良くとれます。キャベツや白菜などの淡色野菜とブロッコリーや人参などの緑黄色野菜をうまく組み合わせてみてくださいね。
野菜をダイエットに活かすコツ
せっかく食べるなら、少しでも効率良く栄養素を摂取したいと思いませんか?そこで、野菜をダイエット中に食べるときに活用すべきコツを管理栄養士が紹介します。
食前に食べる
食前に野菜を食べることで、食事による血糖値の上昇を緩やかにできます。血糖値がゆっくりと上がれば、体脂肪を増やすメカニズムに影響を与えにくいです。サラダを少しだけ先に食べるだけでも血糖値の登り率は下がります。
スープで食べる
野菜に含まれるカリウムやビタミンB群は、水に溶けやすい性質があります。そのため、野菜は煮汁まで飲み干せるスープで食べるのがおすすめ。火を通すことで野菜自体の量も減り、たくさん食べられて一石二鳥です。
ただスープの味を濃くすると塩分が濃くなってしまう可能性があります。塩分の摂り過ぎはダイエット中は避けたいので、調味料の使い過ぎは注意しましょう。香味野菜の玉ねぎやにんにく、生姜やトマトをうまく使って旨味を引き出すと良いですよ。
緑黄色野菜×油で食べる
緑黄色野菜にたくさん含まれるβカロテンは油があると吸収しやすくなります。トマトのリコピンもβカロテンと同じで油と仲が良いので、炒め物にしたりドレッシングをかけて食べるなど工夫しましょう。
のちほど具体的なレシピも紹介するので、気になる方はチャレンジしてみてくださいね。
水分をしっかりとる
水分もしっかりと摂って腸をサポートしてあげてください。
野菜に多い食物繊維は、水分が足りているとお腹の調子を整えるサポート力が上がります。
体は水分が足りないと不調をきたしやすく、腸内で便が動きにくくなります。結果腸内にたまってしまい、便秘になってしまうことも多いです。
とくに食物繊維をたっぷり摂っているときに水分が足らないのは避けたいところ。食物繊維によって便の量ばかり増え、水分が足りないので腸内で動けなくなる。すると便秘がちになって排泄がうまくできなくなってしまいます。
小腹対策にする
野菜を小腹対策に利用すれば、ダイエットはスムーズに進んでいくでしょう。
「口さみしいから何かを食べる」という方は無駄にエネルギーを摂取しています。もしも甘いスイーツを食べてしまうのなら、ミニトマトや蒸したじゃがいもなど、少し糖質の多い甘い野菜を食べるのがおすすめ。
和菓子や洋菓子に比べれば200kcal近く低カロリーですし、ビタミンやミネラルも補えます。
ダイエットにおすすめの野菜レシピ3選
では最後に、ダイエット中におすすめの野菜レシピを3つ紹介します。栄養素を摂れるうえ美味しくて簡単なものばかりを選んでいるので、良かったら作ってみてくださいね。
1.脂肪燃焼スープ
出典:クラシル
トマトベースのスープで野菜をたっぷり煮込む脂肪燃焼スープです。野菜の栄養素も摂れますし、トマトと野菜の旨味でつくるため塩分を気にせず飲み干しやすいのがうれしいポイント。トマトやセロリ、玉ねぎや人参、ブロッコリーなどの野菜を入れるのがおすすめです。
出典:味の素
βカロテンを補える野菜のアヒージョレシピです。野菜では摂りにくいたんぱく質は低カロリーなエビで補います。ブロッコリーやパプリカ、トマトなどの緑黄色野菜をたっぷりいれましょう。油はオメガ9が豊富なオリーブオイルがおすすめです。
3.魚と野菜のグリル
出典:楽天レシピ
いろいろな野菜をモリモリ食べられる野菜と魚のグリルです。旬の野菜を入れてじっくり焼き上げてお召し上がりください。グリルは栄養素を逃しにくいので、効率良く体に取り入れられます。ちなみにじゃがいもは中サイズ1個サイズ食べても糖質は25gほど。白ご飯に比べれば低糖質なので気にしすぎないようにしましょう。
ダイエット中は野菜でサポートしよう!
野菜はダイエットをサポートする栄養素が含まれていることが分かりました。
改めて野菜の栄養素を以下に紹介します。
- ビタミン
- ミネラル
- 水分
- 食物繊維
代謝をサポートしたり排便を促したりとダイエットを支えてくれる栄養素ばかりです。また野菜を食べて血糖値の上昇を抑えられれば、体脂肪を作りだすメカニズムを働かせにくくなります。
ただ、野菜だけではたんぱく質や一部のビタミン・ミネラルが不足します。肉や魚などもきちんと食べながら、食事のバランスを整えてみてくださいね。