テレビのある番組で取り上げられ、注目を集めた「まいたけダイエット」。番組ではお笑い芸人の方が短期間で大幅な減量を成功させ、スタジオも茶の間の主婦も騒然となりました。
まいたけダイエットは本当に痩せるのでしょうか?そして成功する秘訣は何なのでしょうか?
管理栄養士がまいたけダイエットの方法やコツを解説し、おすすめのレシピも紹介します。まいたけダイエットが気になる方は要チェックです。
まいたけダイエットが効果的な理由
まいたけを食べることで、なぜ芸人さんが痩せたのでしょうか?
これには、まいたけにしか含まれない「MXフラクション」という成分が関係しています。MXフラクションはβグルカンという多糖類の1種で、神戸女子薬科大学の難波教授によって発見されました。
βグルカンは水溶性の食物繊維であり、さまざまな生理作用を持っています。まいたけに含まれるMXフラクションの効果をチェックしましょう。
MXフラクションの効果
まいたけのMXフラクションには、次の効果があると報告されています。(※)
- 身体の脂肪増加を抑える
- 食事による血糖の上昇を抑える
わたしたちの体のお肉は脂肪ですから、そこの増加を抑えるMXフラクションはダイエットに対して効果あり。また血糖値が上がりすぎると不要な糖質は身体の脂肪へと変えられるので、ここのメカニズムを抑える点もダイエットに有効的です。
実際、マウスを使った実験でもまいたけを与えた結果体内の脂肪細胞が減少したことが分かっています。
※参考文献:日本きのこ学会誌「マイタケ水抽出物に存在する生理活性物質はヒトおよび動物由来脂肪細胞の分化を抑制する」
まいたけをダイエット中に食べたときの効果
まいたけで痩せる理由はMXフラクションだけではありません。
まいたけには食物繊維のほか、ビタミンやミネラルが含まれます。そのため、代謝を上げて余分な成分の排泄を促す効果も。
具体的にどのような効果があるのか、くわしくチェックしてみましょう。
まいたけで栄養素の代謝が良くなる
まいたけを食事にプラスすることで、食事の糖質・タンパク質・脂質の代謝をサポートできます。
まいたけにはビタミンB群が含まれ、とくに多いナイアシンやビオチンは、糖質やタンパク質などを利用するときのサポーター役です。
つまり、まいたけを食べることで食事を身体で効率良く使えるようになり、結果として代謝が上がり燃費も改善しやすくなります。
まいたけは便秘を予防する
まいたけは便秘を予防するのにもおすすめです。
まいたけはMXフラクションなどの水溶性食物繊維だけでなく、不溶性食物繊維も豊富。不溶性食物繊維は身体で吸収できないので、腸内の便と一緒になって排泄されます。
ダイエット中は食事の量を制限する方が多く、便量が減って腸への刺激が減ることで便秘に悩ませる方も多いです。しかし、不溶性食物繊維を摂ると便の量を増やせるので、定期的に排便を促すことができます。
まいたけは浮腫みや血圧の改善に利用できる
浮腫みや血圧のコントロールに効果的な「カリウム」も、まいたけにはたくさん含まれています。
カリウムは身体の水分量を調整しているミネラルです。身体の中で塩分が増える腎臓に排泄するよう働きかけ、血圧の上昇や浮腫みを予防します。
浮腫みや血圧の上昇は体重の増加や血液の巡りを妨げるため、ダイエット中はできる限り起こらないようにしたいところ。まいたけを含め、葉物野菜などカリウムの多い食品を上手に使えいきましょう。
まいたけダイエットで成功するコツ
まいたけを使ってダイエットを成功させるためのコツをお伝えします。
まいたけは、食べたものを上手に利用し、不要なものをきちんと排泄するためのサポーター役です。しっかり効果を実感することがダイエットを継続する力になりますので、ぜひチェックしてくださいね。
短時間加熱・エキスまで食べる
まいたけは短時間加熱を心がけ、煮汁を捨てずに飲みましょう。
まいたけの成分でダイエット中に摂りたいものの多くは、水に溶ける・熱に弱いという特徴があります。汁で飲むときは出来上がる少し前に入まいたけを入れる、鍋で食べるときは一番最後に入れるなど工夫してくださいね。
ちょっとまいたけを足したいときは、ラップをして数十秒レンジで加熱すればすぐ食べられます。
食事の前にまいたけを食べる
まいたけを食事の前に食べ、ドカ食いと血糖値の上昇を抑えましょう。
おすすめはまいたけ入りの具沢山味噌汁です。まいたけは旨味が凝縮しているので、味噌が少なくても美味しく食べられます。
食べるときはしっかりと噛んで、満腹中枢を刺激。その後に続く食事を適量で満足できるように調整できます。
量増し効果で満足度をアップさせる
まいたけで食事にボリュームを出し、食べ応えのある食事で満足度を上げていきます。
まいたけは調理しても量が減りにくいです。例えば糖質の多いご飯の量を減らすためにまいたけ入りの炊き込みご飯にすれば、簡単にカロリー・糖質オフが叶います。
主菜の添えや小鉢の一品に足すのも、しっかり食べて痩せたい方にオススメです。
チョイ足しで食物繊維を摂る
まいたけの利点である食物繊維を摂れるように、食事の中へチョイ足ししていきましょう。
例えば、ダイエット中にやむを得ずインスタントラーメンを食べるときにチョイ足し。トーストとスクランブルエッグを食べるときにチョイ足し。
いつもだったら食物繊維を摂らないタイミングでも、サッと足せるのがまいたけの良いところです。
食物繊維はダイエットだけでなく、血糖値や血中脂質の異常な高値といった生活習慣病の予備軍の方にも効果がありますよ。
硬い赤身肉を漬け込んで柔らかくする
まいたけにはお肉を柔らかくする力があります。
ダイエット中におすすめのヒレ肉やササミですが、硬くてあまり好きではないという方が多いです。そんなときは刻んだまいたけをお肉と一緒にジップロックへ入れて軽くもみ、冷蔵庫で半日以上漬けましょう。
すると肉質が良くなり、ヒレ肉やササミが柔らかく変身します。低カロリーで高タンパク質なお肉を食べやすくし、かつ食物繊維やビタミン摂れるまいたけはダイエットの味方です。
まいたけは食べ過ぎに注意!1日1パックが目安
まいたけはダイエットを支える効果がありますが、食べ過ぎには気をつけましょう。
その理由は、ダイエットに有意に働く食物繊維。食物繊維は一度に大量に摂ると腸への刺激が強く、下痢や便秘などになってしまう場合があるためです。
まいたけを食べるときは、1日に200gまでにすることをおすすめします。
まいたけは200gで食物繊維7g程度です。食物繊維の1日に摂りたい量は20g前後なので、1度の食事で7g前後の摂取が奨められていることが分かります。
ただし、まいたけ以外に「ごぼう」や「ほうれん草」などの高食物繊維のものを食べるでのであれば、100gくらいを目安にしてください。
まいたけのおすすめのレシピ
まいたけを使ったおすすめのレシピを紹介します。糖質制限中の方にもおすすめの簡単なものばかりなので、お試しください。
えびとまいたけのバターポン酢炒め
レシピ:Cookpad
低カロリー・高タンパク質なエビとまいたけでつくるヘルシーレシピ。食材のカロリーが低いので、ガッツリバターを使っても安心です。
エビの代わりに牡蠣を使っても美味しそうですし、栄養価もアップします。まいたけ×魚介類のバター炒めはぜひお試しください。
鶏むね肉とまいたけのスープ
レシピ:Cookpad
脂肪燃焼作用が期待されるトマトとタッグを組んだトマトスープです。野菜もたっぷりですし、煮汁まで飲むので栄養素もしっかり補給できます。
鶏むね肉は鶏モモ肉よりもカロリーが低いので、ダイエット中におすすめの食材のひとつ。皮を取ればさらにカロリーオフできますし、臭みもとれて一石二鳥ですよ。
鮭とまいたけのホイル焼き
レシピ:ヤマサ醤油
抗酸化作用の強い鮭と一緒に食べるホイル焼き。まいたけの旨味が移って調味料がなくても美味しく食べられるレシピです。
食べるときはポン酢も美味しいですが、生のレモンを絞って召し上がってください。ビタミンCがとれますし余分な調味超による塩分がないので身体にやさしいです。
まいたけダイエットのまとめ
まいたけはダイエットに有益な成分を含み、食事に取り入れることで痩せやすくなります。成分には次のような効果がありました。
- 糖質の吸収を抑える
- 体脂肪の合成を抑える
- 便秘や浮腫みの予防
- 食べ過ぎの防止
このような効果を実感するためにも、MXフラクションという水溶性食物繊維やビタミン類を余すことなく食べられるよう、短い加熱時間で済む料理や汁まで飲めるスープがおすすめです。まいたけのレシピを活用しながら、効率良く痩せられる食事を意識しましょう。