あなたは牛乳ダイエットをご存じですか?牛乳にはダイエット効果が高い成分が豊富らしいですが、本当なのでしょうか?
この記事では牛乳とダイエットの関係について管理栄養士が解説します。ダイエット中におすすめの飲み方やレシピも紹介しているので、気になる方はぜひ最後までチェックしてくださいね。
牛乳ダイエットとは
牛乳ダイエットは、毎日牛乳を飲んで効率よく痩せるダイエットのようです。牛乳にたいして「カロリーが高くて太りやすそう」と思っている方も多いですよね。
なぜ、牛乳がダイエットの効率を上げるのでしょうか?そしてどのくらいの量をいつ飲むと牛乳ダイエットは成功するのでしょうか?くわしく解説していきますね。
牛乳がダイエットの効率を良くする理由
牛乳は栄養素が豊富です。子牛を育てるためのものですから、私たちひとの母乳のように、栄養がぎゅっと詰まっています。牛乳の栄養素はどのような効果をもたらすのか、くわしく解説していきますね。
1.脂肪を分解する
牛乳に含まれるカルシウムは、体脂肪(中性脂肪)を分解する作用があります。骨や歯を丈夫にしたり、筋肉が活動するためにも欠かせないカルシウム。カルシウムを摂ると中性脂肪が下がり、不要なコレステロールを肝臓へと運ぶHDLコレステロールが下がります。だいたいコップ半分(100ml)を飲めば、効果があらわれるとの報告もありました(※)。
※新潟青陵大学短期大学部研究報告「牛乳乳製品のおいしさと生理機能性」
2.血液の健康をサポート
牛乳はカルシウムや必須脂肪酸(リノール酸)などを含み、血液中のコレステロールや血圧などが上がりすぎないようにサポートする働きがあります。コレステロールが増えれば、血管の詰まりであるプラークや血栓ができます。また、血圧が上がると血管が傷ついて硬くなります(動脈硬化ですね)。こうなると、血管はきちんと働けず、栄養素もスムーズに流れません。
つまり、適度に牛乳を飲むと血液の健康を支えられるということです。
3.代謝を促進する
牛乳には、ビタミンB群がいくつも含まれています。ビタミンB群は身体の中で、さまざまな代謝に関わる栄養素です。例えば、糖質の代謝はビタミンB1、たんぱく質の代謝はビタミンB6などですね。牛乳でたくさんの量を摂れるわけではありませんが、まんべんなく補うことはできます。
牛乳をダイエット中に飲むメリット
牛乳がダイエットに効果的な理由をお伝えしました。ほかにも牛乳にはダイエット中に飲むメリットがあります。
牛乳はお腹に溜まりやすい
牛乳はたんぱく質が多いイメージがあるようですが、実は糖質や脂質の方が多いです。
エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 糖質(g) |
134 | 6.6 | 7.6 | 9.6 |
※出典:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」
上記はコップ一杯(200ml)の牛乳のカロリー・たんぱく質、脂質、糖質の成分値。コップ一杯で子どものお茶碗一杯のご飯と同じくらいのエネルギーを補給できるので、小腹対策にもってこいです。脂質も多いので、お腹も空きにくいですね。
牛乳は睡眠の質を上げる
牛乳は睡眠の質を上げるという報告もあります。
牛乳のたんぱく質はアミノ酸のバランスが良いです。そのなかでも、とくにトリプトファンに注目。トリプトファンは脳でセロトニンに変わり、睡眠の質を良くすることが分かっています。セロトニンが分泌されると、痛みや緊張などを和らげてリラックスした状態に。
睡眠の質が良くなると代謝が良くなり、肥満の予防や改善に効きます(※)。眠る前にホットミルクを飲むのは理にかなっているのですね。
牛乳をダイエット中に飲むデメリットは?
牛乳をダイエット中に飲むデメリットは、カロリーを摂り過ぎてしまう可能性があることです。コップ一杯で134kcalあるので、4杯5杯と飲めば牛乳だけで500~600kcalを摂ってしまうことに。飲みすぎないように気をつけましょう。
ダイエット中に牛乳を飲むときのポイント
ダイエット中に牛乳を活用するときのポイントをお伝えします。参考にしていただき、効率よくダイエットをすすめていきましょう。
1日に1~2杯を目安に飲む
牛乳は栄養素が豊富なドリンクです。カロリーも高いので、1日に1~2杯を目安に飲むようにしましょう。おすすめの飲むタイミングは次で紹介しますね。
飲むタイミングは朝食や間食、睡眠前に
牛乳を飲むタイミングは、朝食後や間食、睡眠前がおすすめです。朝食は、糖質とたんぱく質を摂れることが理想。なので、両者を含む牛乳は朝食にぴったりです。また、ダイエット中の小腹対策にもカロリー・糖質量ともにちょうどいいので、間食にも。睡眠の質を高めたい方は眠る前に飲むのも良いです。
ダイエット中におすすめの牛乳レシピ
最後に、ダイエット中におすすめの牛乳レシピを紹介します。牛乳はそのまま飲んでも料理に使っても美味しいんです♪ぜひお試しください。
きなこ牛乳
牛乳を温めたら、きな粉を小さじ1~大さじ1ほど入れてよく混ぜましょう。甘くしたい方は、はちみつや血糖値を上げにくい甘味料などを使うと低糖質なまま飲めます。きな粉を入れると大豆たんぱく質やビタミン類も摂れるので、ダイエット中にぴったり。
牛乳寒天
出典:Rakutenレシピ
牛乳と寒天でつくるので、食物繊維も摂れるヘルシーなおやつです。ダイエット中のおやつにも良いですね。中に茹でた小豆を入れるとさらに栄養価が高くなります。
鶏肉と野菜のミルク煮
参考レシピ:Cookpad
きのこをたっぷりと入れて作るミルク煮。食物繊維やビタミン、ミネラルがたっぷり摂れるレシピです。ダイエット中にサラダばかり食べる方がいますが、ほっと温まる煮物もおすすめですよ。
牛乳ダイエットのまとめ
牛乳はダイエットに効果的な栄養素を含んでいます。ただ、カロリーも高いのでたくさん飲まないように注意しましょう。1日にコップ1~2杯を目安にし、朝食や間食、眠る前など自分のタイミングに合わせて飲んでみてください。お腹を下しやすい方は、温めて飲むか料理に使うなどして取り入れることも検討できますよ。