ダイエット中のご飯、何を食べていいのか迷ってしまうことはありませんか?
インスタで見かけた野菜たっぷりのサラダやおかずがたくさん乗ったお洒落な食事。「こんな食事をとれたらな・・・」と思うものの、理想通りのダイエットご飯を食べられている方は少ないのが現実です。
そこで、今回ダイエット中のご飯について管理栄養士がくわしく解説します。ダイエットのキーポイントを握る夜ご飯についても詳しく紹介していくので、食事で減量を成功させたい方は必読です。
食べないダイエットはリスクが多い
まず、食べずに痩せるのは辞めましょう。摂取エネルギーを減らせば体重は減りますが、栄養も不足するので筋肉や代謝が落ち、長期的にみると「痩せにくい体」に近づきます。
必要なエネルギーすら足りない状態だと、頭がぼーっとしたりイライラしやすくなったりと生活に支障が出ることも。気持ちも後ろ向きになりやすいうえ、リバウンドもしやすいのでおすすめできません。
そのため、ダイエットはご飯をしっかりと食べながら行なうように意識してみてください。
ダイエット中のご飯を考える5つのコツ
ダイエット中はしっかりご飯を食べてほしいのですが、がむしゃらに食べてしまっては太る原因になります。痩せたいときのご飯は次に挙げる5つのコツを活かして考えてみましょう。
- 炭水化物(糖質)は適量食べる
- 脂質は摂り過ぎない
- 主菜は魚メインがベスト
- 大皿料理は避ける
- メリハリのある味付けを意識
それぞれ詳しく解説します。
コツ1.炭水化物(糖質)は適量食べよう
ダイエット中に避けられがちな糖質ですが、ダイエット中も適量食べるようにしましょう。糖質はエネルギー源であり、消化・吸収しやすいので体への負担も少ないです。脂質もエネルギー源として利用できますが、消化に時間がかかります。よって、体でもっとも効率よく利用できるエネルギー源は糖質なのです。
ただ、糖質は摂り過ぎるとエネルギー過多となり、太ります。そのため、ダイエット中は適量の糖質を食べることが大切。
「糖質の適量」は人それぞれ異なりますが、目安として全体のエネルギー量の5~6割程度が良いです。例えば、1日に1400kcal食べるのであれば700~840kcalを糖質で補う。糖質は1gが4kcalなので、÷4で175~210g。さらに一食あたりを出すために÷3すると、約60~70gが糖質の適量(※)と分かります。
※糖質60~70gは、白ご飯茶碗一杯分(150~170g)くらいです。
コツ2.脂質は摂りすぎないように
脂質の摂り過ぎには気をつけましょう。糖質制限食のすすめから高脂肪食を食べる方が増えていますが、脂質の摂り過ぎも肥満の原因になります。糖質と同じように適量を守れるように意識するとダイエット効果を感じやすいです。
脂質の適量も個人によって異なるのですが、目安として全体のエネルギー量の2割くらいがおすすめ。先ほどのように計算すると、1日1400kcalを食べるのであれば脂質は280kcal分。脂質は1g9kcalなので約30gとなり、一食あたりでは約10gが適量(※)となります。
※脂質10gは、鶏モモ肉で片手の平(80g)くらいです。
コツ3.主菜は魚をメインにする
主菜は魚のメニューを多めにすると痩せやすくなります。なぜなら、魚の脂は肉の脂よりもダイエットをサポートする力が強いため。
魚は飽和脂肪酸の含有量が肉よりも少ないです。飽和脂肪酸はコレステロールや中性脂肪などを増やす原因になるため、摂り過ぎには注意したいところ。ダイエット中は脂の種類も意識できるようになると良いでしょう。
コツ4.大皿料理は避ける
家族でご飯を食べる場合、おかずは大皿で盛り付けるのはやめましょう。大皿から取って食べると「どれくらい食べたのか」が分かりづらく、知らぬ間にたくさん食べてしまってカロリーを摂り過ぎている可能性があります。
自分の分は別のお皿に取り分けておき、食べる量を把握するようにしてみてください。
コツ5.メリハリのある味付けを意識
味が濃い料理は塩分を摂り過ぎてしまうので、メリハリのある味付けを意識しましょう。塩分の摂り過ぎは体に余分な水分を溜め込みやすく、体重の増加を招く場合があります。
メリハリのある味付けとは、味をしっかり目につけるおかずと薄い味でもおいしいおかずを上手に組み合わせるということです。例えば、メインの煮魚を濃い目の味付けにしたら、副菜の青菜の和え物はあっさり薄味にするなどですね。
薄味のおかずを作るときは、
- レモンや酢などの酸味を活かす
- 香辛料を利用する
- にんにくや生姜など香味を効かす
などの工夫をすると食べやすくなります。
ダイエット中におすすめのメニュー
では、具体的にどのようなメニューが適しているのでしょうか?
- 朝ご飯
- 昼ご飯
- 夜ご飯
の3パターンに分けて、ダイエット中におすすめのメニューを紹介していきます。
朝ご飯におすすめ:バナナ×ヨーグルト
フルーツの中では多めの糖質を含むバナナは朝ごはんにおすすめの食材です。オリゴ糖や食物繊維を含んでいるので、腸内環境を整えたいときにも活用できます。乳酸菌を含む発酵食品のヨーグルトと組み合わせることで、腸活のサポート力はさらにアップ。朝ごはんは長い空腹から最初に食べる食事なので、糖質でエネルギーを入れてあげると良いですよ。
朝ご飯におすすめ:おにぎり×具沢山の汁
適量のお米で握ったおにぎりと具沢山の汁も朝ご飯にぴったりです。おにぎりで糖質を補い、具沢山の汁でビタミンやミネラルなどいろいろな栄養素を摂り入れられます。また、朝ごはんに温かい汁を食べると、内臓が温まって体温が上がりやすいです。内側からポカポカするので、冷え症状に悩んでいる方にもおすすめ。
朝ご飯におすすめ:サンドイッチ
お家で食べてる時間がないときの朝ご飯は、コンビニのサンドイッチがおすすめです。野菜と肉や卵が入ったものを選ぶと栄養バランスが整いやすくなります。コンビニで売っているおにぎりは野菜が少ないですし、総菜パンはカロリーが高いうえ脂質が多いです。サンドイッチであれば生の野菜も食べられますので、おにぎりや総菜パンよりも栄養バランスは良くなります。
昼ご飯におすすめ:総菜パン×サラダ
コンビニなどの惣菜パンが好きな方は、お昼ご飯にサラダと一緒に食べるのはいかがでしょうか。総菜パンは脂質やカロリーが多いので、エネルギーの燃費が良いお昼ご飯に食べると良いでしょう。食物繊維があると総菜パンの脂質や糖質の吸収が緩やかになるので、海藻や野菜の入ったサラダとの組み合わせがおすすめです。
昼ご飯におすすめ:白飯×野菜炒め×納豆
野菜をたくさん食べたいダイエット中は、野菜炒めとも相性が良いです。野菜炒めは、もやしやキャベツ、ニラなど食べやすい野菜と片手の平くらいの肉でサッと炒めるだけでできます。ちょっと物足らないな・・・というときは、納豆を1パック足しましょう。納豆は大豆たんぱく質が摂れるうえ、食物繊維やビタミンも含むので代謝をサポートしてくれます。
昼ご飯におすすめ:白飯×蒸ししゃぶ
野菜炒めの油が気になる方は、適量の白飯のお供に蒸ししゃぶはいかがでしょうか?野菜と豚肉と料理酒をフライパンに入れて蓋をするだけでできる即席の蒸ししゃぶは、たんぱく質やビタミン・ミネラルを補えるメニューです。食べるときのつけダレは、少しのポン酢や生姜醤油で十分美味しくなります。一味やカレー粉を振ってスパイシーな蒸ししゃぶにするのも、満足度がアップしておすすめですよ。
夜ご飯におすすめ:白飯×刺身×具沢山のお味噌汁
夜ご飯は、ヘルシーにたんぱく質を摂れる魚の刺身がおすすめです。魚で不足するビタミンは具沢山のお味噌汁でカバーします。また、味噌も発酵食品なので腸内環境をサポートしてくれるでしょう。煮汁に溶けだした水溶性のビタミンやカリウムまで食べられるよう、減塩を意識したお味噌汁がベスト。だしを効かせて薄味に仕上げ、汁まで飲み干せるお味噌汁を作れると栄養素の吸収の効率が良いです。
夜ご飯におすすめ:ロールパン×緑黄色野菜とチキンのトマト煮
カリウムやβカロテン、リコピンを含むトマトをたっぷり使ったチキンのトマト煮は、ダイエット中の夜ご飯にぴったりです。トマトは抗酸化作用をもつ野菜で、肥満の予防に効果があるといわれています。また、カリウムは体の余分な塩分の排泄を促すミネラルなので、むくみの軽減につながりやすいです。
一緒に煮込む野菜は、トマトのようにβカロテンを多く含む緑黄色野菜がおすすめ。ブロッコリーや人参、パプリカなど好みに合わせて取り入れてみてください。
夜ご飯におすすめ:白飯×鮭ときのこのホイル蒸し
夜ご飯の食べ応えをアップしたいときは、鮭ときのこでホイル蒸しにしてみても美味しいですよ。鮭は魚の中でも脂質が多くてお腹に溜まりやすく、抗酸化作用もあるのでダイエットをサポートします。そして食べ応えを左右するのが、食物繊維が豊富なきのこです。エリンギや舞茸、しめじなど、きのこはどれもビタミンB群が豊富なので代謝を促します。
ダイエット中は夜ご飯の食べる時間がキーポイント
おすすめのダイエットメニューを紹介しましたが、夜ご飯を食べる時間が遅いとダイエット効果は感じにくいかもしれません。私たちの体は夜に近づくにつれてエネルギーを作りだす力が抑えれらるため、夜ご飯を食べる時間が遅いと太りやすくなります。
そのため、ダイエット中はできる限り早い時間に食べたいものです。就寝する3~4時間前に済ませられると良いのですが、仕事の勤務体系によっては難しい方も多いはず。そこで、仕事が遅くなったときにも罪悪感なく食べられるレシピを考えました。
遅い時間に夜ご飯を食べるときのおすすめレシピ3選
仕事が遅くなってしまったときにおすすめの3つのレシピを紹介します。どれも簡単なのものばかりなので、ぜひチェックしてみてください。
豆腐と野菜がたっぷり入ったお味噌汁
たんぱく質を摂りながらカロリーを抑えられる豆腐とたっぷりの野菜でつくるお味噌汁です。脂の多い肉でたんぱく質を補うと胃腸の働きを促進してしまうので、夜の遅い時間に食べるときは豆腐をメインにするのがおすすめ。野菜や海藻を入れてビタミンやミネラルをしっかり補いましょう。
根菜とお豆のミネストローネ
根菜と大豆でつくるミネストローネもダイエットの夜ご飯にぴったりです。繰り返しになりますが、大豆はたんぱく質やビタミンを含み代謝を支えてくれます。また、トマトジュースのリコピンは吸収しやすいので、体の酸化を予防してくれるでしょう。根菜類で食物繊維や糖質も摂れるので、ミネストローネ一杯でいろいろな栄養素を補えますよ。
コンビニ活用!低糖質サンドイッチ
最後におすすめするのが、ローソンのブランパンを使った低糖質のサンドイッチです。1個で糖質約2gのブランパンの中に、スライスしたサラダチキンと千切りのキャベツを挟むだけなので簡単で手間なし。たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などが摂れるレシピです。マヨネーズと粒マスタードを混ぜただけでできる即席ソースがよく合いますよ。
ダイエット中のご飯のまとめ
ダイエット中のご飯について紹介しました。ダイエットは食事を制限するものではなく、適量を食べられるようにコントロールすることがポイントになります。脂質や糖質の食べ過ぎを避け、いろいろな食材を食べられるように意識してみてください。何を食べれば良いのか迷ってしまったときは、おにぎり1個と片手の平ほどの肉または魚、そして両手いっぱいくらい(生の状態で)の野菜を食べられればOKです。コンビニの商品も活用しながら、無理のない範囲でダイエットのご飯を考えてみてくださいね。