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【管理栄養士監修】牛タンは脂質が多くて高カロリー!身体に悪いって本当?

【管理栄養士監修】牛タンは脂質が多くて高カロリー!身体に悪いって本当?

宮城県名物の牛タン。香ばしい香りと焼目が食欲をそそります。噛むほどに味わい深くなる牛タンは筋トレやダイエットにも効果的な食材ですが、カロリーが高いので食べる量に注意が必要です。身体に悪いとも聞きますが、実は健康をサポートするビタミン・ミネラルが豊富!本記事を読めば、牛タンのカロリーや栄養素のほかおすすめの食べ方までわかります。

牛タンのカロリー

カロリータンパク質脂質炭水化物糖質
牛タン 生/100g
356 kcal13.3 g31.8 g0.2 g0.2 g
牛タン 1枚/20g
71 kcal2.7 g6.4 g0.0 g0.0 g
豚タン 生/100g
221 kcal15.9 g16.3 g0.1 g0.1 g
牛カルビ 生/100g
371 kcal14.4 g32.9 g0.2 g0.2 g
牛肩ロース 生/100g
316 kcal16.5 g26.1 g0.2 g0.2 g

※1

焼肉で食べることが多い牛タン。他にも焼肉の定番部位であるカルビやロースと比較してみると、カルビと同じくらいの脂質量があって高カロリーです。焼肉はだいたいが1枚20g前後を目安にカットされているので、牛タンは1枚で71Kcalほど。一人前の4~5枚を食べれば300Kcalを越えてくるので、食べる量に注意したい部位になります。

牛タンの栄養

脂質が多く高カロリーな牛タンですが、良質なタンパク質やミネラルやビタミンなども豊富に含んでいます。ほかのお肉同様、糖質は少ないので糖質制限をしている方も気にせず食べられる食材です。では、牛タンの栄養素について5つをピックアップし、くわしく解説します。

高タンパクで筋肉や肌の材料に

牛タンには、約13.0g/100gのタンパク質が含まれています。タンパク質は筋肉や肌だけでなく、免疫細胞や血液細胞など多くの細胞を構成する栄養素です。そのため、タンパク質が不足すると身体に不調を感じやすくなります。ダイエットだけでなく、健康で元気に過ごすためにも欠かせない栄養素なのですね。牛タンだけでなく、牛肉のモモ肉やロース肉にも豊富に含まれていますよ。

ビタミンB12が赤血球や神経を健康に保つ

牛タンは、3.8μg/100gのビタミンB12を含んでいます。厚生労働省では「成人のビタミンB12の1日の推奨量は2.4μg(※2)」としているので、牛タン一人前の焼肉を食べれば補給できます。ビタミンB12はカラダの中で細胞分裂を手伝っていて、とくに活動が顕著な血液細胞や神経細胞では欠かせない栄養素です。また、メラトニンという睡眠リズムを正常に働かせるホルモンの分泌にも関与しています。

代謝と肝臓を支えるナイアシンが摂れる

糖質・脂質・タンパク質の代謝のほか肝臓でのアルコール解毒などに関わっているのがナイアシンという水溶性ビタミンです。成人女性で必要とされている1日の摂取量は11~12㎎NEであり、牛タン100g中で3分の1にあたる3.8㎎NEのナイアシンを摂取できます。ナイアシンは多くの代謝に関わっているので、ダイエット中の方だけでなく、お酒をよく飲む方や外食が多い方も積極的に摂りたいビタミンのひとつです。

赤血球をサポートする鉄が豊富

鉄は血液細胞のひとつである赤血球に存在しているミネラル。牛タン100gに2.0㎎含まれていて、鉄分が多いと有名なフルーツ「プルーン」よりも多い鉄の含有量(※1)です。鉄は血液中の酸素を身体のすみずみに運ぶ働きがあり、不足すると貧血になります。酸素は細胞にとって活動のエネルギー源ですから、貧血の状態ではしっかりと働くことが難しくなってしまいます。

タンパク質合成に関わる亜鉛

亜鉛はタンパク質の合成に関わるミネラルです。牛タン100g中に2.8㎎あり、成人女性が1日に必要とする約3分の1の量が補給できます。さきほどもお伝えしたように、タンパク質はさまざまな細胞を構成しているので、亜鉛が不足すると細胞の働きが悪くなる可能性も。亜鉛の欠乏症として、味覚異常・口内炎・皮膚炎・不妊症などがあります。

【過剰摂取に注意?】牛タンのプリン体やコレステロールが気になる

牛タンはホルモンの仲間ですが、レバーなどに多く含まれるプリン体の含有量は少ないです。また、脂質が多い食品で気にする方が多いコレステロールも、100g当たり97㎎のみ。卵1個(約50g)にはコレステロールが210㎎(※1)入っているので、比べれば少ないことが分かりますね。「身体や健康によくないのかな?」と気にする方も多い牛タンですが、適量を意識すれば決して身体に悪影響をおよぼす食品ではありません

牛タンを食べるときのポイント

高カロリーな牛タンですが、豊富なビタミン・ミネラルをしっかりと補給できるタンパク源。脂質の過剰摂取にならないように、以下に記載する食べるときのポイントを参考にしてください。

牛タンは新鮮なものをサッと焼いて食べる

牛タンが含んでいるビタミンは、熱に弱いものもあります。加熱しすぎるとビタミンの損失量が増えてしまうので、できる限りサッと焼いて食べるようにしましょう。また、ビタミン類は時間とともに減少するので、焼肉で食べる際も新鮮な牛タンを出してくれるお店がベター。しかし、注文を受けてからカットするようなお店では厚みのある牛タンが多く、一枚当たりのカロリー・脂質量もアップしていますので食べ過ぎには注意しましょう。

牛タンと一緒に生野菜や海藻を摂る

牛タンは脂質の量がとても多いので、生野菜や海藻など食物繊維が多い食材と一緒に食べることがオススメ。食物繊維は、一緒に食べることで栄養素の吸収を緩やかにする働きがあります。また、塩分が多くなりやすい焼肉では、カリウムがたくさん摂れる野菜や海藻は食べ合わせにピッタリです。カリウムをしっかりと補給して余分な塩分の排泄を促しましょう。

牛タン定食はたまのご褒美に

焼肉とは違い、分厚い牛タンを楽しむ牛タン定食。仙台などで有名ですが、多くのお店で150~200gを一食分として提供しています。ほかに生野菜やテールスープ、麦ごはんなどがついていると仮定すると、約1050Kcal・糖質94g・脂質51gとなかなかのボリューム。成人女性の推定エネルギー必要量は1800Kcal前後と考えると、一食で一日の半分以上を摂ってしまうことになります。糖質×脂質は体内に脂肪を貯めやすいので、牛タン定食はたまのご褒美程度に抑えましょう

牛タンのカロリーのまとめ

牛タンはカロリーが高く、カロリー制限を行う際には不向きですが、基礎代謝を上げることができる栄養素や、タンパク質が多いです。また、糖質が少ないために糖質制限を行う際も活用できる食材のひとつです。一回で食べる量や一緒に食べる料理に気をつけて、牛タンの栄養をしっかりと補いましょう。

参考文献一覧

※1:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」

※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

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