秋に旬を迎えるフルーツである柿。実は、柿にはビタミンCやカリウムのほかポリフェノールが豊富に含まれており、身体の健康をサポートする果物なのです。今回は柿のカロリーや糖質のほか、栄養素について解説します。干し柿と柿の違いについても触れていますので、気になる方はぜひチェックしてくださいね。
柿のカロリーや糖質
カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
---|---|---|---|---|
柿 100g | ||||
60 kcal | 0.4 g | 0.2 g | 15.9 g | 14.3 g |
柿 中1個(150g) | ||||
90 kcal | 0.6 g | 0.3 g | 23.9 g | 21.5 g |
柿 大1個(220g) | ||||
132 kcal | 0.9 g | 0.4 g | 35.0 g | 31.5 g |
干し柿 100g | ||||
276 kcal | 1.5 g | 1.7 g | 71.3 g | 57.3 g |
干し柿 1個(50g) | ||||
138 kcal | 0.8 g | 0.9 g | 35.7 g | 28.7 g |
摂取基準 (上段男性、下段女性) | ||||
2650 kcal 2000 kcal | 60.0 g 50.0 g | 73.6 g 54.8 g | 364.0 g 271.0 g | 344 g 253 g |
※1
柿は中サイズ1個で90Kcal・糖質21.5g、干し柿は1個で138Kcal・糖質28.7gです。干し柿は水分がたくさん抜けるために栄養素が凝縮し、カロリーや糖質なども上昇しています。
ところで、柿と干し柿は違う種類であることをご存じでしょうか?干し柿は生のまま食べる甘い柿を干しているのではなく、渋柿を使用します。生のまま食べると渋くて食べられない渋柿の種を抜き、天日干しにすることで苦みの素である「タンニン」の対策をして、食べられるようにしているのです。
柿と他の果物のカロリー・糖質を比較
- 柿…60kcal、糖質14.3g
- 梨…43kcal、糖質10.4g
- バナナ…86kcal、糖質21.4g
- ブドウ…59kcal、糖質15.2g
- リンゴ…61kcal、糖質14.3g
※すべて100gあたり
※1
柿と他の果物のカロリー・糖質を比較してみると、柿は標準的な値だということが分かります。基本的に果物はカロリーが低く、糖質が高めです。果物が含む糖質はフルクトースが主であり、ご飯やパンに多く含まれているグルコースよりも血糖値を上げにくいという特徴があります(※2)。
柿の栄養
柿のカロリーや糖質は、ほかの果物と大きな差はありませんでしたね。しかし、柿には私たちの身体にとって必要な栄養が豊富に含まれています。どのような栄養素が含まれているのでしょうか。
- ポリフェノール
- ビタミンCやビオチン
- カリウム
以上3つの栄養に着目し、ひとつずつ分かりやすく解説していきますね。
ポリフェノールによる抗酸化作用と血糖値の上昇抑制
柿には強い抗酸化作用をもつポリフェノールであるタンニンが豊富。細胞の老化を防ぐだけでなく、血糖値の上昇を抑制する作用(※3)もあります。タンニンは渋みの素でもあり、「渋みが少ない甘い柿や干し柿ではポリフェノールの効果が得られないのかな?」と気になりますよね。
生の熟した柿や干し柿にも、タンニンは含まれています。渋みを感じないのは、タンニンが口の中で「溶けない形」に変わっただけであり、なくなったわけではありません(※3)。
ビタミンCやビオチンで肌を健康に
柿にはビタミンAやビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2などが含まれています。とくにビタミンCの含有量は多く、100gあたり70㎎とみかんの2倍ほど。柿を1個食べると一日に摂りたいビタミンCの8割を補えるのです。
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、老化を予防するだけでなく生活習慣病の予防や免疫力の向上もサポートします。また、プルプルとした肌に多いコラーゲンの合成にもビタミンCは欠かせません。ほかにも、柿には肌の保湿を促すビオチンも含まれていて、美肌づくりにも活用できます。
カリウムが浮腫み予防や血圧調整をサポート
柿が含んでいるカリウムは体内の水分を調整していて、余分なナトリウム(塩分)を排出する作用があります。体内にナトリウムが溜まってしまうと体内に水分を溜めこむため、浮腫みや血圧の上昇につながる可能性も。近年では食生活が変化した影響で塩分を摂り過ぎている方が多いです。柿をはじめとするカリウムの多い食品を摂取することで余分なナトリウムを排泄しやすくなりますよ。
ダイエット中に柿を食べるときのポイント
柿には栄養素が豊富に含まれていることをご説明しましたが、ダイエット中に柿を食べる場合のポイントをお伝えします。2点紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
夜間は食べない
柿など糖質を多く含む食品は、夜間に食べないようにしましょう。糖質は体のエネルギー源になるため、活動量が少ない夜に食べても消費する量が少なく、余分なものは脂肪として蓄積されます。1日のエネルギーとして消費され、糖質が高くても気にせず食べやすい朝や昼の時間帯に食べるのがおすすめです。
干し柿は食べ過ぎない
干し柿は水分を飛ばしているので、1個あたりのカロリーや糖質が高くなります。これは干し柿に限らず、ドライフルーツにも当てはまることです。しかし、干し柿は水分が抜けているため、1個食べても満腹感を得られにくく、「何個も食べてしまう」という方もいます。干し柿は一日1~2個を目安にして、干し柿の食べ過ぎには注意しましょう。
柿のカロリーや糖質のまとめ
柿のカロリーや糖質、含まれる栄養素などについて説明しました。柿はビタミンCやカリウムが豊富に含まれているので、身体を内側からサポートします。柿などの果物が含む糖質は血糖値を上げにくいですが、食べ過ぎはカロリー過多となり太る原因になりかねません。食べる時間を意識し、適量を心掛けましょうね。
参考文献一覧
※1:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」