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焼酎のカロリーや糖質、ダイエット中の飲み方まで管理栄養士が解説

焼酎のカロリーや糖質、ダイエット中の飲み方まで管理栄養士が解説

芋、米、麦など穀物からつくられる焼酎。それぞれに芳醇な香りと味わいがあり、気分で飲み分けるのも楽しいですよね。毎日飲みたいけれど、体型や健康が気になる方は焼酎をはじめとするお酒のカロリーや糖質は無視できないはず。そこで本記事では、焼酎のカロリーや糖質について解説し、身体への影響も紹介します。管理栄養士おすすめの焼酎の楽しみ方も記載していますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

焼酎の種類

焼酎は乙類甲類に大別されています。乙類は単式蒸留酒ともいい、素材を発酵・蒸留しているために旨味をしっかり感じます。一方甲類は連続蒸留酒といい、連続して蒸留を繰り返したのちに水で割っているため飲みやすく、チューハイや果実酒として飲むと美味しいです。いわゆる本格焼酎と言われるのは乙類の単式蒸留酒を指し、ロックや水割りなど焼酎の味を楽しみながら飲むのが一般的になります。両者でどれほどカロリーが異なるのか、確認してみましょう。

焼酎のカロリーや糖質

カロリータンパク質脂質炭水化物糖質
焼酎 乙類/100ml
146 kcal0.0 g0.0 g0.0 g0.0 g
焼酎 甲類/100ml
206 kcal0.0 g0.0 g0.0 g0.0 g
摂取基準 (上段男性、下段女性)
2650 kcal
2000 kcal
60.0 g
50.0 g
73.6 g
54.8 g
364.0 g
271.0 g
344 g
253 g

焼酎にはアルコール以外の栄養素はほとんど含まれていません。蒸留を繰り返すことでアルコール度数が高くなる甲類のほうがカロリーは多いですね。焼酎のようにタンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素を含まない食べ物のカロリーはエンプティカロリーと呼ばれています。エンプティカロリーってことは、カロリーがないってことで0Kcalなの?と疑問に感じますよね。エンプティカロリーについて詳しく説明しようと思います。

焼酎はエンプティカロリーで太りにくい!

焼酎は三大栄養素を含まず、アルコールによるカロリーのみです。アルコールは吸収速度が非常に速く、身体のなかに入ると優先的に代謝されていきます。そのためアルコール由来のエネルギーは身体のなかでどんどん利用され、体内に蓄積されにくいのです。結果、アルコールが含むカロリーは見せかけであり、栄養を含まないエンプティカロリー(空っぽのカロリー)と呼ばれるようになりました。お酒を飲んだときに身体が熱くなったり汗をかいたりするのは、身体で優先的にアルコールが代謝されているためだったんですね。

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焼酎とほかのお酒のカロリー・糖質を比較

アルコールは優先的に代謝されるうえ、栄養素を含まないのでエンプティカロリーであるとお伝えしました。ということは、ほかのお酒にも当てはまるのでしょうか?焼酎の甲類・乙類それぞれのカロリー・糖質と、ほかのお酒のカロリーや糖質を比較してみましょう。

  • 焼酎 甲類/100ml・・・206Kcal・糖質0.0g
  • 焼酎 乙類/100ml・・・146Kcal・糖質0.0g
  • ウイスキー/100ml・・・237Kcal・糖質0.0g
  • ブランデー/100ml・・・237Kcal・糖質0.0g
  • ジン/100ml・・・284Kcal・糖質0.1g
  • 梅酒/100ml・・・156Kcal・糖質20.7g
  • 赤ワイン/100ml・・・73Kcal・糖質1.5g
  • 白ワイン/100ml・・・73Kcal・糖質2.0g
  • 淡色ビール/100ml・・・40Kcal・糖質3.0g

焼酎のようにロックで楽しむ蒸留酒を中心に比較しています。ウイスキーやジンなどと比較すると、焼酎は低カロリーだとわかりますね。また老若男女問わず人気の梅酒は高糖質赤ワイン・白ワイン・淡色ビールも糖質を含むものの低カロリーです。どれも100mlあたりの量で計算しているので、一回に飲む量に直して計算してみましょう。

  • 焼酎 甲類/70ml・・・144Kcal・糖質0.0g
  • 焼酎 乙類/70ml・・・102Kcal・糖質0.0g
  • ウイスキー/30ml・・・71Kcal・糖質0.0g
  • ブランデー/30ml・・・71Kcal・糖質0.0g
  • ジン/30ml・・・85Kcal・糖質0.0g
  • 梅酒/100ml・・・156Kcal・糖質20.7g
  • 赤ワイン/120ml・・・88Kcal・糖質1.8g
  • 白ワイン/120ml・・・88Kcal・糖質2.4g
  • 淡色ビール/350ml・・・140Kcal・糖質10.5g

※1

※一回量は目安です。

アルコール度数の高い焼酎は、一回に飲む量で考えても高カロリーだとわかりますね。

【麦・芋・米】焼酎の原材料別でカロリー・糖質を紹介

乙類の焼酎は原材料によっても種類が異なります。大麦を原料とする麦焼酎さつま芋が原料である芋焼酎米を原料とする米焼酎の3種です。それぞれが素材の風味を活かしている焼酎は、メーカーによっても味が違うんですよ♪各焼酎のカロリーや糖質にあわせて、味の特徴や初心者さんにおすすめの焼酎なども紹介します。

麦焼酎のカロリー・糖質

出典:三和酒類株式会社

麦焼酎は香ばしくて人気の高い焼酎です。焼酎が好きではない方も知っているくらい名の知れているいいちこをはじめ、佐藤や壱岐などがあります。いいちこのカロリーはアルコール度数によって公式HPで公開されており、100mlあたり12%で69Kcal20%で113Kcal25%で141Kcalです。いいちこは麦焼酎のなかでも飲みやすく、発酵方法や熟成期間などによってさまざまな種類があるのでお気に入りのいいちこを探すのも楽しみのひとつ。また芋焼酎で有名な佐藤の麦焼酎もほのかな甘みがあっておすすめ。佐藤のカロリーは残念ながら公開されていませんでした。

芋焼酎のカロリー・糖質

出典:霧島酒造株式会社

芋焼酎はお米とさつま芋、麹でつくる焼酎です。さつま芋の甘みが口のなかにほのかに広がるので、辛口のお酒が苦手な方も飲みやすいですよ。芋焼酎といえば霧島シリーズ。麹や芋の種類によって黒・赤・白の霧島が販売されていて、芋臭さが少なく芋本来の味を楽しめる焼酎になります。霧島のカロリーはアルコール20度で111Kcal25度で139Kcalとなり銘柄によって差はないようです。もちろん、本格焼酎なので糖質はゼロになります。

米焼酎のカロリー・糖質

出典:株式会社鳥飼酒造

私たちが昔から親しんでいるお米を原料とする米焼酎。麦や芋などの特徴的な香りや風味がなく、クセがないので飲みやすいという方も多いです。醸造酒である日本酒にも似た味なので、糖質をできる限り摂らずにお酒を飲みたい日本酒ファンの方は一度米焼酎をお試しください。米焼酎のなかで人気なのは鳥飼や白岳で、ともにフルーティーな味わいで華やか。鳥飼も残念ながらカロリーの公開はありませんでした。

泡盛のカロリー・糖質

出典:琉球泡盛

タイ米を原料として黒麹でつくる蒸留酒を泡盛といいます。沖縄で愛されている泡盛は日本全土でファンからの指示を得ている焼酎のひとつ。泡盛は米麹と酵母を使って2週間ほど発酵するのがポイントで、素材の旨味や味わいがしっかりと生きています。シンプルなお酒なので保存も効きやすく、長時間置くことでさらに味わい豊かな古酒をつくることもできます♪泡盛はアルコール30度で100mlあたり170Kcal・糖質ゼロです。

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沖縄県 久米島の久米仙  30°泡盛 

伝統の製法で造り上げた一升瓶。天然湧き清水で醸された、爽やかな飲み口が人気の泡盛です。

焼酎はダイエット中のお酒に最適!3つのダイエット効果

焼酎はダイエット中でも飲めるお酒のひとつです。その理由について解説していきたいと思います。

1.焼酎は糖質ゼロ!燃焼しやすいカロリーで太りにくい

焼酎は蒸留酒のひとつでしたね。蒸留酒は製造過程で糖質をほとんど飛ばしていますので、糖質は含まれていないに等しいです。ダイエット中の過度な糖質の摂取はおすすめできないのはご存知の方が多いはず。また焼酎など蒸留酒に含まれるカロリーはエンプティカロリーと呼ばれ、優先的に熱として発散されていくので身体に溜まりにくいとされています。糖質ゼロかつ蓄積しにくいカロリーである焼酎は、ダイエッターにとって非常に魅力的です。

2.焼酎はアミノ酸を含むほか、HDLコレステロールの上昇効果あり

焼酎にはHDLコレステロールを増やす作用があるとの報告があります(※2)。HDLコレステロールは身体の末端のコレステロールを集めて肝臓へと運ぶ働きをしています。コレステロールが血中で増えすぎると巡りが悪くなり、身体の代謝も落ちてしまうのでダイエット効果も減少。血液の流れをスムーズにして代謝を向上させるためにはHDLコレステロールは一定量確保したいところです。また、麹の力で作製される焼酎にはアミノ酸が含まれています。焼酎を飲んで必須アミノ酸を摂取すれば、身体づくりや美容面でも良い効果がありますよ。

3.焼酎には血液の流れを整える作用がある

焼酎には血管内の血栓を溶解する作用があるという研究結果(※3)が注目されています。血中にできた血栓を溶かすt-PAやウロキナーゼが本格焼酎である芋焼酎や泡盛によって分泌が促されることがわかってきました。とくに泡盛では効果が顕著にみられるようです。さきほども触れましたが、ダイエット中に血流を整えることは効果を高めるため、血液を滞らせてしまう血栓を溶かす作用は大きく影響します。血液の健康効果を狙って焼酎を飲む場合は、適正飲酒アルコール量が20g/日(※4)であることから、ロックで100ml前後に抑えられるとベストです!

焼酎は飲みすぎに注意!ダイエット中におすすめの飲み方

焼酎は身体に良い効果があることもわかりました。ダイエット中に飲むときに注意したいポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

焼酎の糖質ゼロを活かして水割り・お湯割りでシンプルに

焼酎は糖質がほぼゼロで血糖値を上げないので、糖質の多い甘いカクテルやシロップを入れるチューハイよりもダイエット向き。そのうえでアルコール度数は高いので少量でも満足しやすいお酒です。せっかくの糖質オフですので、焼酎はロック・水割り・お湯割りなどでシンプルに召しあがってください♪量も飲みたいという方はロックを控えてお湯割りで飲むといいかもしれませんね。

焼酎のアルコール吸収速度を落とすためにチビチビ飲みが◎

先述しましたが、アルコールにもカロリーは含まれていて、1gあたり7Kcalになります。焼酎など蒸留酒はアルコール度数が高く、エンプティカロリーと言われているアルコールのカロリーも、摂りすぎれば中性脂肪として身体に蓄えられてしまいます。身体が効率的にカロリーを消費できるよう、ゆっくりと飲むのがおすすめです!お酒に強い方や飲みなれている方は辛い飲み方かもしれませんが、ダイエット中はグッとこらえてくださいね。

焼酎を飲み過ぎないようにおつまみではなく食事と一緒に

お酒の量を飲み過ぎてしまうと、余分なカロリーとして身体に貯め込んでしまいます。またアルコールを解毒するために働く肝臓が疲れてしまい、代謝が落ちてしまう原因にもなるのです。そのため、ダイエット中はお酒の量を控えることがベスト!お腹が満たされているとお酒を飲みたい欲も減少しやすいので、食事をとりながら焼酎を飲むといいでしょう。タンパク質やビタミン・ミネラルがしっかりととれるよう、魚や野菜、海藻のメニューがおすすめです。

焼酎のカロリーや糖質についてのまとめ

焼酎のカロリーや糖質について解説しました。エンプティカロリーと呼ばれる焼酎のカロリーも、適量を越えれば太る原因になりますので気をつけてくださいね。ダイエット中の飲酒は適量摂取を基本として、身体に必要な栄養素も忘れずにとるようにしましょう!

参考文献一覧

※1:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」

※2:厚生労働省「アルコールと高脂血症」

※3:社団法人 日本健康倶楽部宮崎支部 宮崎医科大学名誉教授 美原恒「血液の流れと健康」

※4:厚生労働省「飲酒のガイドライン」

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