料理の隠し味からパンチの効いたスタミナ料理まで、幅広く利用されているにんにく。にんにくのカロリーや糖質を考えて、料理に使ったことってありますか?
今回、にんにくのカロリーについて栄養の専門家が紹介します。食べることで得られる栄養や効果についても解説していますので、「にんにくを食べて健康な身体を手に入れたい!」という方も必見ですよ。
にんにくのカロリーや糖質
カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
---|---|---|---|---|
にんにく ひとかけ小 可食部3g | ||||
4 kcal | 0.2 g | 0.0 g | 0.8 g | 0.6 g |
にんにく ひとかけ大 可食部6g | ||||
8 kcal | 0.4 g | 0.2 g | 1.6 g | 1.2 g |
にんにく 1個 可食部40g | ||||
54 kcal | 2.6 g | 0.4 g | 11.0 g | 8.5 g |
おろしにんにく 2㎝ほど | ||||
5 kcal | 0.2 g | 0.0 g | 1.1 g | 1.1 g |
ガーリックパウダー ひと振り | ||||
4 kcal | 0.1 g | 0.0 g | 0.7 g | 0.7 g |
※1
今回使用したにんにくは、大き目ひとかけで7g、小さめひとかけで4gでした。皮を取った状態で、にんにくはひとかけ4~8Kcalであると分かりますね。
まるまる1個のにんにくを食べると54Kcal、にんにくチューブは2㎝ほど使って5Kcalです。一回の使用量で考えれば、にんにくは高カロリーではないといえるでしょう。
また、にんにくはひとかけで約1.0gの糖質を摂ることができます。
にんにくの4つの栄養機能
がんを予防するために摂るべき食品は数多くありますが、その頂点に君臨するのが、にんにくです。
- 抗菌・殺菌作用
- 血圧・血中コレステロールの低下
- 体温の上昇
- ビタミンB1の吸収を促進
など、にんにくの栄養の機能性について、くわしく解説します。
1.にんにくは菌に強い!がん予防にも
にんにくを刻んだとき、独特の香りがしますよね。あの香りは数種類の硫黄化合物によるものです。それぞれの硫黄化合物は高い抗菌・殺菌力を保有。にんにくを日常的に摂取することで、免疫力の向上が期待できます。
また、アメリカで発表された、がんを予防する食品群を示す「デザイナーフード・ピラミッド」では、にんにくが頂点に君臨。にんにくは、がんを防ぐ食品として世界で認められている野菜ということになります。
2.血圧・血中コレステロールを抑える
にんにくの硫黄化合物は、血中コレステロールを抑える働きももっています。また、血管内にできた血栓を溶かす作用もあります。
血中にあるコレステロールを減らし、血栓も減少させるので、血流が改善して血圧も下がりやすくなります。
3.ビタミンB1の吸収を促進
にんにくの硫黄化合物のひとつであるアリシンは、ビタミンB1の吸収を促す力があります。ビタミンB1は糖質の代謝に関わっている大切なビタミンです。
豚肉や豆類をにんにくと一緒に炒める・煮るなどすると、効率よくビタミンB1を摂取できます。
4.体温を上昇させ、代謝をアップ
にんにくは、交感神経の働きを刺激する作用もあります。交感神経が強くなると、身体は燃焼傾向になり、体温が上昇したりとエネルギー代謝がアップ。
ただし、ご飯を食べたあとに消化活動のときは、副交感神経も有意に働きます。にんにくを食べ過ぎると消化が上手くできなくなる可能性があるので、食べ過ぎには注意しましょうね。
にんにくは調理法で栄養機能が変わる
にんにくの栄養で気になる機能はありましたか?にんにくの効能は、調理方法によって異なりますので、簡単に紹介しますね。
調理方法 | 効能 |
スライス・みじん切り・潰す・おろす |
|
茹でてから潰す |
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そのまま(味噌漬けや醤油漬けなど) |
|
※2
代謝を上げたいのであれば茹でてから潰す、ビタミンB1をしっかりと摂って糖質対策をしたいのであればスライスして豚肉と炒めるなど、にんにくは目的に合わせて料理するといいでしょう。
にんにくをダイエットに活用!低カロリーレシピを紹介
血流を整えたり身体を元気にしたりするにんにくは、ダイエットにも活用できます。おすすめの低カロリーレシピを3つ紹介しますので、ぜひ作ってみてくださいね。
ガーリックキャベツ
出典元:レタスクラブ
・1人前 31kcal、糖質約8.0g
たっぷりのキャベツでつくるヘルシーなにんにく料理です。食物繊維が豊富なので、便秘の改善にも役立ちます。キャベツもにんにく同様、デザイナーフード・ピラミッドで上部に位置する食品。ガーリックキャベツベツは、がんの予防に向いている一品ですね。
さんまのにんにく風味煮
出典元:ヤマサ
・1人前 347kcal、糖質6.8g
さんまのn-3系多価不飽和脂肪酸とにんにくの硫黄化合物で、血中脂質を抑える力が強い一品です。LDLコレステロールを下げる、HDLコレステロールを増やすなど、うれしい作用が期待されます。
3.にんにくの味噌漬け
出典:Rakutenレシピ
・1粒で17Kcal、糖質2.2g
交感神経を刺激して、代謝を上げたいときはにんにくの醤油漬けを食べましょう。甘辛い味噌だれが食欲をそそりますね♪にんにくは食べ過ぎると胃腸が疲れてしまうので、1日ひとかけくらいを目安に食べるといいですよ。
にんにくのカロリーや糖質のまとめ
にんにくのカロリーや糖質について紹介しました。にんにくのカロリー・糖質はそこまで多くありませんが、身体を健康に保つパワーは強いことが分かりましたね。調理方法を上手に使い分けて毎日の食卓の仲間に入れてあげてください。
参考資料
※1:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」
※2:にんにく大辞典