秋に旬の時期を迎える「さんま」。食の欧米化が進んだことで魚から離れてしまった日本人ですが、昔から好んで食べられてきたさんまには摂りたい栄養素がぎゅっと詰まっています。本記事では、さんまのカロリーや糖質のほか、栄養素について解説。さんまを使った糖質制限レシピも紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてくださいね。
さんまのカロリーや糖質、タンパク質は?
カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
---|---|---|---|---|
さんま(皮付き・生)/100g | ||||
297 kcal | 17.6 g | 23.6 g | 0.1 g | 0.1 g |
さんま(皮なし・刺身)/1尾分(100g) | ||||
335 kcal | 16.9 g | 28.0 g | 0.2 g | 0.2 g |
さんま(皮付き・焼き)/1尾(100g) | ||||
270 kcal | 23.9 g | 17.9 g | 0.2 g | 0.2 g |
さんま 缶詰(味付け)/1缶(100g) | ||||
268 kcal | 18.9 g | 18.9 g | 5.6 g | 5.6 g |
さんま 缶詰(蒲焼き)/1缶(100g) | ||||
225 kcal | 17.4 g | 13.0 g | 9.7 g | 9.7 g |
※1
1尾100g前後のものが一般的なさんまは、脂が乗っているためカロリーも高めになっています。刺身で食べると脂をそのまま食べることになるので高カロリーですが、さんまを焼くことで脂が落ち、カロリーオフに。
また、さんまをはじめ、魚はタンパク質や脂質を中心に含み、糖質が低いです。しかし、調味料を使って濃い目に味をつけるさんまの缶詰では、糖質が上昇しています。深部まで加熱しているため骨まで食べられるメリットはありますが、糖質や塩分も多いので食べる量には注意しましょう。
さんまと他の魚のカロリーやタンパク質を比較
カロリー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 糖質 |
---|---|---|---|---|
さんま(生)/100g | ||||
297 kcal | 17.6 g | 23.6 g | 0.1 g | 0.1 g |
サバ(生)/100g | ||||
247 kcal | 20.6 g | 16.8 g | 0.3 g | 0.3 g |
鮭(生)/100g | ||||
133 kcal | 22.3 g | 4.1 g | 0.1 g | 0.1 g |
ほっけ(生)/100g | ||||
115 kcal | 17.3 g | 4.4 g | 0.1 g | 0.1 g |
さんまと他の魚の栄養素を比べると、高カロリーであることが分かります。さんま同様に親しみの深い魚である鮭と比較した場合、5倍以上の脂質・2倍以上のカロリーです。
サンマの脂質量はマグロのトロに値する量であり、高脂質な食品。また、魚の中でもタンパク質の含有量が多い鮭やサバよりは少ないですが、タンパク質を豊富に含む高タンパク質な点もさんまの特徴です。
さんまはダイエットに向いている
さんまは高カロリーですが、ダイエット中に良い働きをしてくれる栄養素が含まれているのです。詳しく紹介していきますので、魚を食べていないダイエッターの方はぜひチェックしてくださいね。
血流を改善するDHAやEPA
さんまなどの青魚には、必須脂肪酸であるDHAやEPAが含まれています。必須脂肪酸とは体に必要な脂のことで、体内で合成することが難しいので食事で摂取しなければいけません。
DHAやEPAは、血中脂質の抑制や血管内皮細胞の機能改善など、健康的な血流を整えるためのサポート力があります(※2)。血流が改善すると身体のすみずみに必要な栄養素を届けられるため、代謝の向上が期待できます。
食べ過ぎ防止の効果が期待できるヒスチジン
さんまには、必須アミノ酸である「ヒスチジン」が豊富です。大人は体内で合成できますが、ヒスチジンは子供の体内で作ることができないアミノ酸のため、食事から摂取する必要があります。
食事から摂取したヒスチジンは、脳内で「ヒスタミン」という成分に変わります。脳内で変換された場合のみ、ヒスタミンは満腹中枢を刺激する(※3)ため、さんまを食べると白ご飯抜きでも満足しやすく、食べ過ぎ予防に。
ただし、さんまを常温に放置するとヒスチジンがヒスタミンに変わり、食中毒やアレルギー反応の原因になるので、置きっぱなしは避けましょう。
貧血予防や睡眠の質を改善するビタミンB12や鉄
さんまはビタミンB12や鉄を多く含みます。これらは血液成分のひとつ赤血球を正常に機能するために欠かせない栄養素であり、不足すると貧血を引き起こします。赤血球は身体の各所に酸素を運搬する大切な役割を担っている細胞です。さんまを食べることでビタミンB12・鉄を補給できるので、貧血予防になります。また、ビタミンB12は脳内で合成される睡眠に携わるホルモンの分泌の調整にも関わっています。
ダイエットにオススメ!さんまの糖質制限レシピ
さんまは焼いて食べることが主流ですが、他にもオススメの食べ方があります。ダイエット中でもお腹いっぱい食べられて栄養満点、そんなさんまを使った糖質制限レシピをご紹介します!
さんまの梅煮(糖質8.8g)
出典元:みんなのきょうの料理
・353kcal、糖質8.8g/一人前
さんまを梅干しと一緒に甘い煮汁で煮た料理です。さんまを煮ているので、DHA・EPAが煮汁に溶け出し、良質な脂を無駄なく摂取することができます!煮汁も全て食べることがポイントですよ♪梅干しには「バニリン」という成分が含まれ、脂肪燃焼効果があることが分かっています。カロリーは高めですが、低糖質なので糖質制限ダイエットをしている方にはオススメのレシピです。夜に食べるときは、白ご飯ではなくて木綿豆腐などにぶっかけて食べれば糖質オフしましょう♪
さんまのロールキャベツ(糖質10.9g)
出典元:レタスクラブ
・266kcal、糖質10.9g/一人前
肉の代わりにさんまをキャベツで包んだロールキャベツです。こちらも出汁ごと食べることで、DHA・EPAのほとんどを摂取できます。さんまには食物繊維が含まれせんが、キャベツを一緒に摂取することで不足している食物繊維を補給。タンパク質・必須脂肪酸・食物繊維・ビタミン・ミネラルなど、栄養素をバランス良く摂取することができるレシピです♪
さんまのカロリーや糖質のまとめ
さんまのカロリー・糖質について、ご紹介しました!さんまは魚のなかでも高脂質・高カロリーですが、さんまに含まれる脂質はDHA・EPAで、体にとって良質な脂です。満腹中枢に働きかけるアミノ酸や貧血予防をサポートするビタミンB12 ・鉄など気になる栄養素が豊富で、ダイエットをサポートする食材のひとつ。ぜひ、さんまが旬の秋には食卓へとりいれてみてくださいね。
参考文献一覧
※1:文部科学省「エネルギーおよび成分含有量は文部科学省<日本食品標準成分表>2015年版(七訂)」
※3:わかさ生活「ヒスチジン」